| ビーコンの扱いにも慣れた頃、埋没体験と弱層テストが同時進行で行われました。
埋没体験用の穴を掘るのと同時に、雪の層を観察してテストするとの予定です。しかし、雪が一気に積もったため雪を掘った面に地層のようなものが一切ありませんでした。「これで弱層テストをしてもなぁ〜」とのことで、解説のみで終わってしまいました。
埋没体験は顔の前に空洞を作り、手には雪上に突き出るゾンデ棒を握ってもらいます。「苦しかったら、この棒を動かして伝えてくださいね」との話しの後で早速雪をみんなでかけはじめました。
30cmほどの厚さになったころインストラクターの方が埋没者のいる雪の上に乗りあげます。するととたんに雪上に突き出たゾンデ棒がヒョコヒョコと動き「苦しい!やめろ!」の合図を送ってきました。相当苦しいようです。
今度は雪の上にいる全員でゾンデ棒で人間をつついたときの感触を確かめてみるとのことになりました。
雪の中に埋まっている人に向かって「ゾンデをこれから差しま〜すっ」と一言掛けて、ズブッ、ズブッと抜き差ししてみました。ゾンデ棒が体に当たると「何か刺してはいけない妙な柔らかいようなものを刺してしまった」という感覚が伝わってきました。
埋まってから5分ほどたったので掘り起こしにかかります。上半身が見えたあたりで埋まっている本人が動こうとしたのですが、足に乗っている30cmほどの雪で下半身が全く動かず、この状態では自力で這い出すこともできないようです。「雪を馬鹿にしてはいけないのだ」と強く思いました。スノーフィールドで単独行をされる方もいらっしゃると思いますが、ほんのちょっとの埋没でも一人では動けなくなることもあるようです。
掘り出された埋没者に話しを聞いてみると、たった30cmの雪でも「暗かった、息が苦しかった、身動きが全く取れなかった、早く出して欲しかった」と極限の状態のようです。
一般に埋まった人は5分以内に探し出すのがベストで、どんなに長くても15分以内、それを過ぎると発見しても生存する確率は急激に下がるとのことです。たとえ助かったとしても低体温症を起こしかねない環境なので多くのことを知っておかねばならないように感じます。
スピード講習でしたが一連の体験を通してみて、ビーコンの有用性や雪の中の不自由さ、その他にも色々なことに重みを感じました。
新潟県内では冬に屋根から落ちてきた雪に埋まったり、雪下ろしで屋根から落下して雪の中に埋まったりして亡くなられた方がいらっしゃいました。日常生活の中にも潜んでいる危険なので、何が危ないのかを事前に知っておくためにも重要な講習会だなと思います。
また、「雪崩にあったらどうするか」ということよりも「危険な場所には近づかない」ことを考えることが重要だなとも感じます。
やはり、私には合っているのは、ゆるい起伏の場所だけでのネイチャースキーなんでしょうか? |